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でっかい独り言、内緒話に戯言三昧

でっかい独り言、内緒話に戯言三昧

ピンチ!!

 フロリダ滞在で、リクエストしたのは、ビーチ、水族館、ディズニーワールドだ。ディズニーワールドは2年前の滞在で、お嬢が好きになったディズニーの番組、「Bear in the Big blue House」のショーを見ることが目的。これはMGMでだけでしている。これは最終日に行くことが決定。

 水族館は「イルカに触れるところ」がリクエスト。イルカと泳げるところは日本でもあるのだが、年齢がまだ足りない。フロリダでも本格的なところは高いのでもったいないけれど、触れるところがあった。ここで「水族館」という概念が崩れた。まぁ広さはしょうがない。いつものことだ。日本だと、建物の中に水槽があり、それを平行の目線で見ることが多い。珍しいものだと、トンネル型やエスカレーターで水槽の中を進んでいくものがある。そういう水族館、というイメージではなく、どちらかと言うと動物園に近い。上から覗き込む感じなのだ。そして、手を伸ばして触ることもできる。ショーも数カ所ある。午前中にショーを一つ見て、お昼を食べ、午後のショーを見る時に、トラブルが発生した。
 姪は束縛されることを嫌う。というと言葉が硬いが、要するに自分の好きなことをしたいのだ。なので午前中のショーもほとんど見ていない。ショーの開始を待つ、とか先がどうなるか待つということを好まないのだ。まぁ、年齢的なこともあるが、基本的に人に合わすのが嫌いなんだろうなと思う。さて、この午後のショー、雷の影響で少し開演が遅れた。お嬢は待ってでも見たい。姪はいやがる。そんな訳で姉は姪をつれて開場からでた。ショーが終わったら、開場の外で待っていると。ここがピンチの始まり。近くに落雷したため、ショーの開始は1時間以上遅れたのだ。ところがショーの開始が遅れるというアナウンスが流れたのは、本来ならばショーが終わる時間。なので、ショーを見るのをあきらめた人が開場外へでた。私も1回外へでようかと思ったのだが、なんとお嬢が寝ていた(^^;)そして姉の荷物(さいふも携帯も)を私が持っていたので、姉がこちらへ来るだろうと思ったのだ。
 実際には、1時間半ほど遅れてショーは始まり、起きたお嬢と共にショーを見ることはできた。この間、1度も姉が姿をあらわさないのに不安はあったが、開場のすぐ外にはショップがあったので、そこで姪に捕まっているのかと思っていた。が出てみると、姉のストローラーが見当たらない。ということはこの近辺にはいないということだ。雨が降っている。傘もない。迷子になったときは、その場所を動かないのが鉄則。ショップでレインコートを買い、ショップをみたり、ショップの前で待っていた。実はこのお買い物が失敗だったのだ!
 姉はショーを見るのをあきらめた人たちが出てきたのを、ショーが終わったと思った。当然だ、開場外にはショーの状況のアナウンスはないのだから。だから出てこない私達を不審に思い、探しに出たのだ。姉がショーが終わったと思う時間と、本当にショーが終わった時間とでは2時間ほどの差がある。姉は会場と駐車場を何回か往復し、迷子センターに「英語の話せない東洋人の親子連れ」とはぐれたと連絡し、各ショップに連絡をしてもらっていた。特にはぐれたショップには(待ち合わせの場所の)「英語の話せない東洋人の親子連れ」が来たらすぐに連絡をしてもらうように何度も頼んだのだ。実はこのショップに私とお嬢は2時間いたのだ。あきらかに不審だ。あきらかに東洋人だ。しかし私はこのショップでお買い物をしているのだ。このお買い物をした時点で「英語の話せない東洋人の親子連れ」からは外されてしまったのだ。冗談のようだが、本当の話だ。
 雨も降り続け、肌寒くなり、日もくれかかったので、私は迷子センターへいく決意を固めた。何度も行こうと思ったのだが、迷子センターの人にどう状況を説明したらいいのか、わからなかったのだ。これ以上は危険だと思った。いや、今までも十分危険だった。迷子センターは入り口近く。はぐれた場所に背を向け、歩き出したとほぼ同時に、姉の姿を見つけた。お互い座り込んでしまうほどの安堵感と共に、言いたいことはでてくるのだが、状況を確認していくうちに、どうしようもなかったことが嫌というほどわかり、誰が悪いとか言えなくなってしまったのだ。姉も何度もショップにきていたのだが、それがトイレへいくために、2度ほどショップ前を離れた時のことだったのだらしいのだ。迷子センターにより、「見つかった」と姉が告げると、万歳三唱をしかねない勢いの「おめでとう!」…車の中で姉が「生きてる姿を見た時は、それが本当だとは思えなかった」と言った。この言葉の意味は十分すぎるほどわかった。「あんたの遺体は運がよければみつかるだろう。でもお嬢は何もみつからないだろう」光り輝いて見える国の影の部分だ。

 さすがに疲れたこの日は、姉妹ケンカもした。でもお互いに分かっていた。疲れ過ぎたのだ。この晩は皆、普通ではないほど疲れきっていたのだ。その証拠に翌日は何事もなかったかのように、機嫌良く起きたのだから。


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